車その他

 公開日03/02/08 最終更新日22/08/28

 電解コンデンサについて

ここでは電子制御が進んだ今の車にとっての
電子部品について知っている事を。

  

◆始めに

◆電解コンデンサ

◆寿命予測 ◆まとめ  
始めに        
今では車の殆どの部分で電子制御されるようになって車を知る上で電子的な技術を知っていた方がいい様になってきました。

ただ、実際に電子回路について知っている人も少なく、自分としてもたいした事は知っていませんが、知っている範囲の情報を展開していこうと思います。

上手く説明できるかは分かりませんが、なるべく分かりやすく説明していきたいです。

尚、ここの内容と重複していますがコラム56でも同じような説明をしています。

 

車の場合12Vで動作しますが、電子製品が動くためには使用電圧に変換しています。

例えば12Vから5Vと言う具合に電圧を変えたりする必要性があります。(DC-DCコンバータがそうです)

特に高電圧、高電流部の電源回路には電解コンデンサを多用しています。

コンデンサの種類はフィルム、セラミック、タンタルなどの種類があります。

これらのコンデンサと電解コンデンサには決定的に違う構造的位置付けがあります。

それは極性と寿命が在ることです。

 
電解コンデンサ  
  電解コンデンサは「寿命」があります。

これは電子部品の信頼性試験を実施して寿命を確認していますが詳細は割愛させて頂きます。

寿命の原因は、電解コンデンサの中身には電解液が入っており、周りをアルミケースで保護し、端子部をゴムで封印しています。

詳しい構造説明はここでは省きますが、極端に言うと構造的にバッテリーと同じだと思ってもらって構いません。

今言っている電子製品の寿命と言うのはすべて電解コンデンサの寿命から来ています。

今の所、電解コンデンサの寿命は無くせません。

理由は中の電解液がゴム蓋より漏れて蒸発するためです。

電解液が無くなる事で電解コンデンサの電気特性が変わってしまう事と液漏れにより電子回路を腐食させて壊してしまう為です。

自分のNSXの純正左ドアスピーカーはまさしくこれでした(涙)

寿命予測        

寿命予測の計算例を上げてみます。
電解コンデンサに記載されている85℃、105℃と言う印は使用温度の上限を意味しています。

単純に、NSXのオーディオに使われている電解コンデンサを例にあげて話しますとコンデンサの周囲温度を65℃とした場合、一日4時間の使用と考えてみます(そんなに車乗りませんが(笑))
尚、
ライフサイクルはメーカーで定めている寿命であって物によって2000cyc〜4000cycなどがあります。これはメーカー仕様書を見ると記載されています。

電解コンデンサ 65℃ 2000cycと言う部品ですと、15℃の温度差から寿命予測の計算式(省略します)で8000時間となります。
電解コンデンサ 105℃ 2000cycの部品だと、50℃の温度差から32000時間の寿命と予測されます。で、
一年間で(4時間×365日=1460時間)となるので、10年間持つ方は、105℃の方になります。
所がNSXの純正品で使われている電解コンデンサは85℃品ですので、上の計算ですと10年持ちませんね。
車の保証は5年間が無償ですので、電解コンデンサの故障の場合、対象に為らないと思います・・・・。

まとめ        
寿命予測の説明から、NSXのスピーカー故障は必ず発生します。

ですから電子回路の故障原因が電解コンデンサによるものである場合は多いようです。(セラミックコンデンサなどの場合もありますが・・・)

この不具合原因はパソコンなどの家電製品にもそのまま当てはまります。

普通に電解コンデンサは電化製品に使用されている為です。

ただ、この事を知らないでいればそれまでですが、寿命がある部品を初めから搭載する事で電子製品を動かしているので、それらの部品寿命=製品の寿命につながっていまいます。

対策としては電解コンデンサの耐熱温度を上げるしかありませんが一般的には85℃品が多く125℃品のコスト的に使われませんので寿命が短くなってしまいます。

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